とがった味を、手に取りたくなる姿へ|食品ブランドの立ち上げとパッケージデザイン


食品ブランド「HEART & SOUL KITCHEN」ブランド・パッケージデザイン

クライアント:株式会社天満屋
業種:食品製造/食品ブランド
担当範囲:アートディレクション/ロゴデザイン/パッケージデザイン/グラフィックデザイン/イベント・SNSツール制作
制作物:ロゴ/商品パッケージ/サービスカード/商品紹介フライヤー/イベント・展示会ツール/アパレル・グッズ ほか
制作年:2025-2026

HEART & SOUL KITCHENとは

無難な味じゃ、物足りない人へ。」

HEART & SOUL KITCHENは、1950年創業の佃煮屋・株式会社天満屋から生まれた食品ブランドです。

天満屋さんは、佃煮や惣菜をはじめ、さまざまな食品の製造・卸を手がけてきた会社です。これまで自社商品も企画・販売されてきましたが、今後のBtoC展開や新たな販路づくりを見据え、他にはない独自商品の開発に取り組まれていました。

そこから生まれたのが、HEART & SOUL KITCHENです。

目指したのは、誰にでも無難に好まれる味ではなく、「わかる人にはわかる」「気に入った人が、とことん好きになる」商品。

甘い、辛い、苦い。

それぞれの味を中途半端に整えるのではなく、好きな人が「これが好きでよかった」と思えるところまで突き詰めることが、ブランドの根底にあります。

長く培ってきた味づくりから、新しい食の楽しみ方を。

HEART & SOUL KITCHENの商品は、天満屋さんがこれまで培ってきた食品製造の技術や味づくりをベースにしながら、そこへ少し意外な刺激を加えてつくられています。

企画段階から、花椒のしびれ、豆板醤の辛み、マスタードの香りと酸味、佃煮の甘辛さ。

といった異なる方向の「刺激」を、それぞれの食材と組み合わせてシリーズ展開する構想がありました。

デザイン全体では、ひとつひとつ味も食材も異なるけど、4つ並んだときに「HEART & SOUL KITCHEN」というひとつのブランドとして見えることを大切にしました。

「とがった味」を、手に取りたくなる見た目へ。

ご相談いただいた時点では、「大阪商品計画」の中で商品開発やブランドコンセプトの検討が進められていました。

私が参加したのは、そこから商品としてどう見せ、どのような姿で世の中へ届けるかを考えていく段階です。

ブランドロゴだけではなく、パッケージの形状や見せ方、商品ごとの展開方法まで含めて、ブランド全体のビジュアルを設計しました。

初期の企画資料でも、「アメリカにありそうなレトロな感じ」という方向性が挙げられており、売り場でシリーズとして並べて展開することが想定されていました。

アメリカンレトロをベースにした、少し癖のある世界観。

パッケージでは、アメリカンレトロの空気感をひとつの軸にしています。

ただし、ヴィンテージ感を強く出しすぎたり、賑やかな飲食店のような印象に寄せたりするのではなく、

カジュアルだけれど、賑やかすぎない。

個性的だけれど、食卓や食品棚にも自然に置ける。

その間のバランスを探りました。

デザイン検討時には、上品なもの、力強いもの、モダンで親しみやすいもの、個性を前面に出すものなど、複数の方向からパッケージのあり方を検討しています。最終的には、ブランドの「刺さる人に深く刺さる」という個性を大切にしながら、手に取りやすさも感じられる方向へ整えていきました。

4つの味を、ひとつのブランドとして見せる。

商品ごとに印象的なカラーを設定し、売り場に4種類が並んだときにも、それぞれの違いが直感的に分かるようにしました。

一方で、商品ごとにバラバラなデザインにはせず、ロゴの扱いや構成、タイポグラフィ、円形のアイコンなどに共通したルールを持たせています。

選ぶ楽しさがありながら、並ぶことでブランドの存在感が強くなること。

食品売り場だけでなく、イベントやギフトなど、複数の商品を一緒に手に取ってもらう場面も想像しながら設計しました。

明るいカラーリングにしたことで、パーティーのテーブルやちょっとした贈りものにも選びたくなるような、楽しい佇まいになったと思います。

パッケージの「形」から考える。

普段はパンフレットや販促物など紙もののデザインを担当することが多いのですが、このプロジェクトでは、商品のコンセプトや内容量、売り場での見え方に合わせて、パッケージの仕様から提案しました。

どのような状態で商品を見せるのか。

4商品を並べたときにどう見えるのか。

手に取ったときに商品の特徴がどこから伝わるのか。

グラフィックだけを考えるのではなく、商品そのものの佇まいをつくっていく仕事です。

企画当初から、パッケージについては「棚に立てて並べられること」「中身の見え方」なども含めた検討が行われており、制作段階では実際の商品や製造条件と照らし合わせながら、仕様とデザインを詰めていきました。

最終的に、当初思い描いていたブランドの世界観が、実際に手に取れる「商品」として立ち上がったことは、私自身もうれしかった仕事のひとつです。

制作を通して大切にしたこと

HEART & SOUL KITCHENは、天満屋さんが長く培ってきたものを残しながら、これまでとは違うお客さまへ届けていくための新しいブランドです。

だからこそ、「老舗らしく見せる」ことだけでも、「新しく見せる」ことだけでもなく、

これまで積み重ねてきた味づくりを、今の人が手に取りたくなる姿へ変換すること。

そこをデザインで担いたいと考えました。

食べる人の気分が少し上がる。誰かと一緒に食べたくなる。売る人自身も、自信を持っておすすめできる。

商品と人が出会う、そんな接点をつくることも、パッケージデザインの役割だと思っています


Project Credit

Client 株式会社天満屋
Project 大阪商品計画
Produce / Advice Camp Inc.
Art Direction / Design 豊島夏海
Photo Miyachi Kaoru・豊島夏海

制作物:ブランドロゴ/パッケージ/商品紹介グラフィック/イベント出店ツール/SNSクリエイティブ ほか

■ Link
HEART&SOUL KITCHEN:https://osaka-tenmaya.stores.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/heart_soul_kitchen/